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2020 年度 実績報告書

超縮退の制御に向けた新たな数理化学の開拓と次世代材料設計

研究課題

研究課題/領域番号 19K15501
研究機関京都大学

研究代表者

春田 直毅  京都大学, 福井謙一記念研究センター, 特定助教 (90784009)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2021-03-31
キーワード縮退 / 力学的対称性 / 数理化学 / 密度汎関数理論 / 金属クラスター
研究実績の概要

これまでに見出している超縮退を起こす四面体型クラスターX10, X20, X35(X: Zn, Cd, Mg)の研究 [Nat. Commun. 9, 3758 (2018)] と同様の方法論を用いて、新たなタイプの超縮退物質を見つけることに成功した。この中には非四面体型クラスターX8が含まれるほか、2次元などの低次元物質における超縮退骨格も存在する。既に過去の実験論文で合成及び単結晶X線構造解析が報告されているものもあり、超縮退物質の実証や材料としての応用に大きく迫る結果が得られたといえる。今年度はこれらの新たな超縮退物質について、数理化学的起源を明らかにするための研究を大きく進めた。その中で、リー代数を用いた数理的アプローチにも着手しており、今後はこのリー代数に基づく力学的対称性理論について深化させていく予定である。

また、こういった金属クラスターをビルディングブロックとして、高次構造体を形成する際の一般原理についても、前年度までに構築した対称適合軌道モデル [Nature Commun. 10, 3727 (2019)] に基づいて明らかにした。具体的には、通常の化学における混成軌道の概念を拡張し、隣接する金属クラスターの対称適合軌道どうしの相互作用を記述することに成功した。この研究成果は、超縮退物質を結晶として取り出し、物性測定による実験実証を行うための理論的基盤を与えるものと考えられる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 3件)

  • [雑誌論文] 飛翔する若手研究者 縮退と擬縮退の包括的理解に向けた新たな理論化学 ― 視座を変えれば,明日の分子が姿を現す2020

    • 著者名/発表者名
      春田 直毅
    • 雑誌名

      化学と工業

      巻: 73 ページ: 702-703

    • 査読あり
  • [学会発表] 化学反応における領域同位体効果2021

    • 著者名/発表者名
      矢田 達寛, 春田 直毅, 佐藤 徹
    • 学会等名
      日本化学会第101春季年会(2021)
  • [学会発表] 対称性の数理が拓く現代化学の新たな局面2021

    • 著者名/発表者名
      春田 直毅
    • 学会等名
      30年後の夢をかなえる理論化学
    • 招待講演
  • [学会発表] ジベンゾフェナジンのメカノケミカル合成における特異な反応経路の発現メカニズム2021

    • 著者名/発表者名
      春田 直毅, Paulo Filho, Marques de Oliveira, Alain Chamayou, 佐藤 徹, 田中 一義, Michel Baron
    • 学会等名
      日本化学会第101春季年会(2021)
  • [学会発表] Group Theoretical Insights into Metal Clusters: Their Potentials and Design Principles2021

    • 著者名/発表者名
      Naoki Haruta
    • 学会等名
      International Symposium on Molecular Science
    • 招待講演
  • [学会発表] 縮退と擬縮退の数理に立脚した新たな化学理論の構築2020

    • 著者名/発表者名
      春田 直毅
    • 学会等名
      第301回分子工学コロキウム
    • 招待講演

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公開日: 2021-12-27  

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