大気圧~400 MPaまでの静水圧下で3電極式の電気化学測定を行うための装置を開発し、フェロシアン化カリウム/フェリシアン化カリウム水溶液など、水中の鉄錯体を対象に圧力可変サイクリックボルタメトリ測定を実施した。サイクリックボルタメトリのピーク位置からFe(II)/Fe(III)の酸化還元平衡電位を調べたところ、圧力が高くなるほど酸化還元電位が高電位側にシフトすることを明らかにした。また、圧力シフトの程度は、錯体の分子構造に応じて変化することを明らかにした。酸化還元反応時の体積変化に必要な仕事量が圧力の影響を受けたことに起因すると考えられる。
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