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2021 年度 実績報告書

一重項分裂により生じた多重励起子におけるスピン変換メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K15506
研究機関埼玉大学

研究代表者

長嶋 宏樹  埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (60814027)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードシングレットフィッション / 電子スピン共鳴
研究実績の概要

一重項分裂(Singlet Fission, SF)は一つの一重項励起子から2個の三重項励起子を生成するユニークな反応である。逆反応である三重項-三重項消滅(Triplet-Triplet Annihilation, TTA)は2つの三重項励起子から高いエネルギーの一重項励起子1つを作り出す反応である。一重項分裂と三重項-三重項消滅は 光デバイス効率を飛躍的に向上させる潜在性を秘めた多重量子現象である。一重項分裂はスピン許容遷移であり、一重項状態にある励起子ペア1(TT)を形成し, その直後のスピン変換による五重項状態5(TT)の形成が報告されている。本研究では、SF機構の理解と効率的なSF&TTA材料の創出に不可欠な、スピン変換機構の解明を目指し, 各種の電子スピン共鳴(Electron Paramagnetic Resonance, EPR)法による五重項状態形成の過程について調べた。
時間分解電子スピン共鳴法により, ペンタセン、テトラセンの誘導体のダイマー分子をはじめとするシングレットフィッション材料における五重項状態の形成を観測した。これらの分子は三重項状態を形成する二つの色素が, 異なるリンカーを介して結合しており, 三重項を形成するアセン分子の相対配向および相互作用が異なっている。実際に時間分解電子スピン共鳴スペクトルは、分子によって異なるスペクトルを得ることができた。得られた電子スピン共鳴スペクトルのスペクトルシミュレーションにより, 五重項状態にある分子の構造(二つの分子の相対配向)と交換相互作用Jとを関連づけ, スピン変換機構を議論した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)

  • [国際共同研究] Northwestern University(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      Northwestern University
  • [雑誌論文] Synergetic Role of Conformational Flexibility and Electronic Coupling for Quantitative Intramolecular Singlet Fission2021

    • 著者名/発表者名
      Nakamura Shunta、Sakai Hayato、Nagashima Hiroki、Fuki Masaaki、Onishi Kakeru、Khan Ramsha、Kobori Yasuhiro、Tkachenko Nikolai V.、Hasobe Taku
    • 雑誌名

      The Journal of Physical Chemistry C

      巻: 125 ページ: 18287~18296

    • DOI

      10.1021/acs.jpcc.1c04734

    • 査読あり / 国際共著

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公開日: 2022-12-28  

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