有機エレクトロニクス材料は「軽くて柔軟」「構造・物性の高い設計性」「比較的小さな外部刺激による電子伝導の制御性」といった優れた特長を持つため、フレキシブルデバイス、高効率エネルギー変換デバイス、大面積表示素子など、次世代電子デバイスの創製に不可欠なものと認識されている。一方、分子性イオンラジカル塩は、極めて優れた機能性の結晶が見いだされているが、電子デバイスへの応用展開はほとんど試みられていない。イオンラジカル塩が有機溶媒への難溶解性、融点を示さず分解する性質を持つためである。本研究では、イオンラジカル塩を融解させる手法を見出し、電子材料へとつなげる端緒を切り開いた。
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