本研究では、電子ドナー(D)とアクセプター(A)が共有結合的に連結した電荷移動型集積体(D/A-MOF)を研究対象化合物として、薄膜化の構築と電子・磁気的性質のスイッチングを目的として行った。D/A-MOFは、電荷・スピン・格子を協奏的に制御可能な化合物群である。カルボン酸架橋ルテニウム二核錯体(D)とTCNQ誘導体(A)を用いた電気化学的析出法により、電荷移動型集積体薄膜の構築に成功した。さらに、置換基の異なるD/A構築分子を用いることでさまざまなD/A-MOF薄膜の最適な創出法を開拓した。また、電気化学的酸化還元によりD/A-MOF薄膜の電子状態変化の可逆的・高速なスイッチングを達成した。
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