現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
MD計算により、PVPA-xIm中の温度変化によるImの運動の変化を調べ、活性化エネルギーからPVPA-xIm中のImの運動性を議論した。さらに、これまでの量子化学計算とMD計算により得られた結果を統合し、PVPA-xIm複合体中分子レベルでのプロトン伝導機構を提案することができた。これらの結果を学術誌(Chem. Lett., Vol. 50, pp17-20 (2021); J. Comp. Chem., Jpn., Vol. 19, pp131-132 (2020))に発表することができた。 さらに、コハク酸イミダゾリウム(Im-Suc)有機結晶中のプロトン伝導機構解明に向けた量子化学計算によるポテンシャルエネルギー計算を行った。計算からプロトン伝導経路中でのリーズナブルなプロトン伝導プロセスを明らかにすることができた。本研究は、実験との共同研究に発展し、X線構造解析や赤外分光スペクトルによる振動解析により得られた知見と量子化学計算による解析により、Im-Sucの水素結合構造、プロトン移動、分子ダイナミクスの観点からプロトン伝導機構に関する知見を得ることができた。
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