研究成果の概要 |
ツチンはドクウツギから単離されたピクロトキサンセスキテルペノイドの一種であり、高度に官能基化された5,6-cis縮環骨格を有した天然物である。ツチンは神経毒を示すが、その誘導体は活性を示さないことが最近報告されている。構造の複雑さと、微妙な構造の差異によって活性が変化することに興味を持ち、それらの全合成に取り込んだ。その結果、ツチンの2位のヒドロキシ基が欠如したコリアミルチンの形式全合成を達成した。鍵反応に、L-プロリンを用いた分子内アルドール反応を用い、5,6-cis縮環骨格を高立体選択的に構築した。現在、本反応をツチンの合成に応用するために、反応前駆体の効率的合成法を開発している。
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