炭素-水素結合の切断という有機化学において最も基礎的でありかつ最も重要な素反応の歴史において、3つ目となる新しい形式を提供した研究である。天然ガスなどの豊富に存在する炭素資源の有効利用や有機合成化学における新規手法の開発につながると期待される。 また、ホウ素-水素結合やケイ素-水素結合は有機合成において頻用される重要な化学種であるが、これまではホウ素プラスと水素マイナス、ケイ素プラスと水素マイナスという性質を利用して有機合成化学が発展してきた。本研究成果はその結合の分極を真逆に切断することに成功した。より単工程、高効率での有機合成反応開発につながる基盤技術である。
|