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2019 年度 実施状況報告書

ケイ素中間体の「(脱)保護」を経るアジリンとエノラートからの無保護アジリジン合成

研究課題

研究課題/領域番号 19K15563
研究機関大阪大学

研究代表者

鈴木 至  大阪大学, 環境安全研究管理センター, 助教 (70779777)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2021-03-31
キーワード無保護アジリジン合成 / アジリン / ケテンシリルアセタール / インジウム触媒
研究実績の概要

ケイ素中間体の「(脱)保護」を経るアジリンとエノラートの反応による無保護アジリジン合成の検討を行った。実際にシリルケテンアセタールをケイ素種としてアジリジンと反応をさせたところ、-78℃でヨウ化インジウム触媒を用いることで効率よく生成物の無保護アジリジンを与えることを見出した。ヨウ化インジウム以外の、様々なルイス酸触媒も同様の条件で検討したが、生成物は全く得られなかった。さらに、ケイ素種の当量や反応条件を制御することで無保護ピロリドンを選択的に得ることにも成功した。現在それらの基質の展開を行っており、アジリジンに関しては比較的広範な官能基許容性を示すことが明らかとなりつつある。一方で、ケイ素種に関してはシリルケテンアセタールに限定されており、さらなる基質検討が必要である。またケイ素保護の置換基はトリメチルシリル基に限定されることが判明した。一方、同様の反応がルイス塩基である酢酸リチウムを触媒とすると高収率で進行することも見出した。反応中間体として考えられる窒素上がケイ素置換されたアジリジンの捕捉を試みたが、確たる存在の証拠は得られなかった。また、立体選択的な反応を試みるためキラル配位子を最適条件下に加えて検討を行ったが、生成物が得られなかった。今後はヨウ化インジウム触媒のみで反応が進行した特異性に関して計算化学などを用いて検討する予定である。また、立体選択的な反応では配位子による触媒のルイス酸性の低下が原因と考えられるため、今後は異なる金属ルイス酸との組み合わせを検討する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初計画していた計算化学による遷移状態の検討および生成物の応用研究に関して検討が行えていないため。

今後の研究の推進方策

ヨウ化インジウム触媒の特異性および反応遷移状態の計算化学によるアプローチとケイ素源の触媒化に向けた検討を行う。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] Direct use of 1,3-dienes for the allylation of ketones via catalytic hydroindation2020

    • 著者名/発表者名
      Suzuki Itaru、Yagi Kensuke、Miyamoto Shinji、Shibata Ikuya
    • 雑誌名

      RSC Advances

      巻: 10 ページ: 6030~6034

    • DOI

      10.1039/D0RA00853B

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Synthesis of 5-Membered Sulfur Heterocycles via Tin-Catalyzed Annulation of Mercapto Ketones with Activated Alkenes2020

    • 著者名/発表者名
      Suzuki Itaru、Sakamoto Yuki、Seo Yuta、Ninomaru Yoriko、Tokuda Kodai、Shibata Ikuya
    • 雑誌名

      The Journal of Organic Chemistry

      巻: 85 ページ: 2759~2769

    • DOI

      10.1021/acs.joc.9b03055

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Diastereoselective Synthesis of Spiro[2.3]hexanes from Methylenecyclopropane and Cyanoalkenes Catalyzed by a Tin-Ate Complex2019

    • 著者名/発表者名
      Suzuki Itaru、Shimazu Jun-ya、Tsunoi Shinji、Shibata Ikuya
    • 雑誌名

      European Journal of Organic Chemistry

      巻: 2019 ページ: 3658~3661

    • DOI

      10.1002/ejoc.201900518

    • 査読あり
  • [学会発表] エノラートの分子内オキサマイケル付加を鍵とするメチレンシクロプロパンとアルケンを用いた含酸素スピロ環合成2019

    • 著者名/発表者名
      〇小倉一樹・鈴木至・芝田育也
    • 学会等名
      第39回有機合成若手セミナー「明日の有機合成を担う人のために」
  • [学会発表] ヨウ化インジウム触媒を用いた2H-アジリンへの ケテンシリルアセタール付加による含窒素複素環2019

    • 著者名/発表者名
      〇竹中雄哉・鈴木至・芝田育也
    • 学会等名
      第39回有機合成若手セミナー「明日の有機合成を担う人のために」
  • [学会発表] エノラート酸素の分子内マイケル付加を経由するメチレンシクロプロパンとアルケンの触媒的含酸素スピロ環合成2019

    • 著者名/発表者名
      〇小倉一樹・鈴木至・芝田育也
    • 学会等名
      第9回CSJ化学フェスタ
  • [学会発表] ヨウ化インジウム触媒を用いた2H -アジリンへのケテンシリルアセタール付加による含窒素複素環合成2019

    • 著者名/発表者名
      〇竹中雄哉・鈴木至・芝田育也
    • 学会等名
      第9回CSJ化学フェスタ
  • [学会発表] スズアルコキシド触媒による α-メルカプトケトンと活性アルケンを用いた多様な含硫黄複素環合成2019

    • 著者名/発表者名
      〇坂本有紀・鈴木至・芝田育也
    • 学会等名
      第66回有機金属化学討論会
  • [学会発表] インジウムヒドリド触媒による1,3-ブタジエンを直接用いた ケトンのアリル化反応2019

    • 著者名/発表者名
      〇八木健介・鈴木至・芝田育也
    • 学会等名
      第66回有機金属化学討論会

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公開日: 2021-01-27  

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