本研究では、イオン液体触媒(ILC)の分子構造設計により、反応原料や生成物の相分離挙動を制御し、化学反応プロセスの省エネ化を実現する「スマート反応・分離プロセス」の創出を目指した。種々のアルコールとカルボン酸からの脱水縮合反応を対象に、ILCの分子構造が相分離挙動や転化率に与える影響について整理し、反応後に生成するエステルと副生する水を相分離させることで、平衡転化率を向上することに成功した。さらに、相互溶解度が極めて低い反応原料を用いた多相系脱水縮合反応への適用可能性を検証し、原料双方を溶解し、副生する水を相分離することで、100℃以下の温度条件でも高転化率で生成物が得られた。
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