高分子網目に多量の溶媒が含まれたポリマーゲルは、ゼリーやコンタクトレンズのように身近なところから医療用材料などにいたるまで広く使われている重要な材料である。通常、高分子網目にはさまざまな構造欠陥が含まれ、しばしばそれにより力学的な強さが損なわれる。本研究では、構造欠陥を排除したポリマーゲルの創製を目指して、高分子の形状を精密に制御した「マクロアトム」と呼ぶ構成要素から欠陥の少ない高分子網目を構築する新しい手法を確立した。得られたポリマーゲルの硬さは理論予想に近く、構造欠陥の少ない網目が得られたことが示唆された。
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