研究課題
若手研究
高効率有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子を実現するためにイリジウムや白金などの重原子を一切用いない純粋な有機分子系として、熱活性化遅延蛍光(TADF)が提案され注目を集めている。本研究では、高効率な青色発光材料の開発を目指して、電子ドナー・電子アクセプター型TADF分子の設計・合成、光学物性、デバイス評価に関する研究を行った。その結果、外部量子効率は最大で27.0%~31.9%の世界最高レベルの高い値を示す青色有機EL素子の開発に成功した。
機能有機材料化学
有機EL素子は、高効率発光、低消費電力駆動、軽量化できる等の優れた特長を有していることから、各種ディスプレイとして実用化され広く普及しつつある。しかし、現在までに実用化されている青色発光材料は、有機EL 素子の発光効率が比較的低いことや、耐久性が低いことなどの問題がある。本研究では、熱活性化遅延蛍光メカニズムを用いした高効率な青色発光材料の開発に成功した。今回の結果は、高効率青色有機 EL素子を実現に寄与すると期待される。