本研究では,固体界面を利用して複数当量のLi+を可逆的に脱挿入させるリチウム二次電池正極反応を見出すため,モデル積層膜合成により固体電解質とLi5FeO4との固体界面を構築して正極反応を検討した.パルスレーザー堆積法で,Li/Fe比が5.3である薄膜正極の作製に成功した.Li3PO4を積層した薄膜電極の充放電特性は,積層無しと比べて,初回充放電反応におけるクーロン効率が向上した.Li3PO4の積層による固体界面の構築で,高容量正極活物質の脱挿入反応の可逆性が向上することを見出した.固体界面の形成により,電解液・正極界面の電池系とは充放電反応機構が変化したことが示唆される.
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