研究課題
若手研究
粘土ナノシート集合体中に合成した銅ナノ粒子の複合体について,その触媒活性を探究した.メチルビオロゲンを電子アクセプターとした光誘起電子移動系においては,複合体が凝集と触媒活性が高くなることが示唆され,これはナノシートの激烈な集合に由来すると考えられる.さらに,過剰量のメチルビオロゲンを添加した系では,ナノシート上だけでなく溶液中に溶けているメチルビオロゲンも還元されたことから,ナノシート集合体は空隙を有し,これによって銅ナノ粒子の触媒活性が維持されていることがわかった.
物理化学
コロイド粒子の凝集は一般に触媒活性を下げることが知られているが,ナノシートの集合体を担体としたナノ粒子の触媒活性について探究した本研究においては,それが当てはまらないことが明らかとなった.これは担体であるナノシートが大きな排除体積を有することに由来するためであり,ナノシートのランダム集合体という極めて秩序性の低い系が反応活性という点では有利にはたらくことが見出された.