水素吸蔵合金であるLa-Ni系合金粉末を用いてH2+CO2雰囲気にてボールミリングを行うことにより、メタン生成が可能であることが示された。合金粉末は相分離を生じるが、これに伴い合金中に吸蔵された水素が放出され、この水素の放出とメタン生成の開始に相関があることが示唆された。相分離によりLa酸化物等にNiが担持されたナノ構造をとるが、このままボールミリングを継続した場合でもメタン生成が継続することから、合金粉末は触媒前駆体と見なされることが明らかとなった。また、炭酸化物中の炭素がメタンの原料となりうることが示されたことから、関連する研究を展開する上で、示唆に富む成果が得られたものと考えられる。
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