細胞骨格の一種である微小管はチューブリンタンパク質からなるチューブ状構造体であり、微小管を利用したナノ材料の構築が注目を集めている。近年微小管内部に結合するタンパク質が発見され、微小管の構造安定化に寄与していると推定されている。しかし、人工的に微小管内部にナノサイズの構造体を導入した例はなかった。本研究では、独自に開発した微小管内部に結合するTau由来ペプチドTPを用いることで、微小管内部にタンパク質や金属ナノ粒子を導入し、微小管の構造・機能の制御を目指した。緑色蛍光タンパク質(GFP)や金ナノ粒子、磁性ナノ粒子などの導入に成功し、内包物に応じて微小管の構造や性質が変化することを見出した。
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