L7Aeを大腸菌発現し、ヌクレアーゼ処理無しで1回のみのアフィニティー精製を行うと核酸成分が共精製されることを見出していた。L7Aeはキンクターン構造に対して広範に結合能を有しており、大腸菌細胞内に存在するRNAのキンクターン構造に結合するものであると推測された。一方で、試験管内共進化で得られたLS4を同様にアフィニティー精製した場合、核酸成分の共精製はほぼ観察されなかった(ネガティブコントロールと同程度)。つまり、”L7Ae-Box C/D Kt”ペアに比べ”LS4-CS1”のRBP-RNAペアは生体直交性が向上していると期待される。 また、CS1 RNAおよびCS2 RNAに関して、二次構造予測から内部ループ構造内にG-Aミスマッチを複数含んでいることが示唆された。trans G:A Sugar/Hoogsteen塩基対を形成していると推測し、変異導入及び結合タンパク質とのSPR解析を行った。 ファージ提示タンパク質とRNAを試験管内で共進化させる一連の手法を”PD-SELEX法”と名付け論文投稿を行った。研究成果は英国核酸科学誌Nucleic Acids Researchに掲載されるに至った。さらに、同誌採択号の表紙、及びNAR Breakthrough Articleに採択された。 また、海外よりRNA結合タンパク質(LSx)遺伝子の分与依頼がありプラスミドDNAの送付を行った。
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