海綿動物から見出された天然有機化合物であるポエシラストリン類は、骨粗鬆症やがんの増殖・転移に関与している膜タンパク質V-ATPアーゼの強力な阻害剤であり、分子ツールや医薬品などへの応用が期待されている。しかしながら天然からは微量しか得られず、また分子内に多くの官能基を有する複雑な化学構造のため、完全な構造決定がなされていなかった。本研究代表者はポエシラストリン類の特徴的な部分構造に着目した化学反応を用いて、分子サイズの大きな化合物を構造解析のしやすいフラグメントに分解することに成功した。また立体配置が未決定の不斉炭素のうち大部分を帰属した。
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