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2019 年度 実施状況報告書

シュードウリジンの高精度シーケンシングを可能にするラベル化分子の創製

研究課題

研究課題/領域番号 19K15710
研究機関東北大学

研究代表者

岡村 秀紀  東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (60832293)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2021-03-31
キーワードRNA修飾 / シュードウリジン / アルキル化 / 分子認識
研究実績の概要

RNA修飾の一つであるシュードウリジンが遺伝子発現の微調節に関与することが明らかにされつつあり、RNA中における修飾位置を決定する方法論の開発が望まれている。本研究では、シュードウリジン特異的なラベル化分子を開発し、その高精度シーケンシング法の基盤確立を目指している。具体的には、分子間相互作用を介してシュードウリジンを選択的にアルキル化する分子を開発し、逆転写反応阻害を利用したシーケンシング法への応用を目的とする。
2019年度は、シュードウリジン選択的なラベル化分子の合成と機能評価について実験を行った。本研究で開発を進めるラベル化分子は、水素結合を介してシュードウリジンに結合する認識ユニットとマイケルアクセプター型のアルキル化ユニットで構成される。当該年度においては、アルキル化ユニットとしてビニルスルホンアミドを、認識ユニットとして種々のピリジン類縁体を有するラベル化分子の合成を達成し、それらのアルキル化能を評価した。まず、ヌクレオシドレベルにおけるアルキル化反応を検証したところ、認識ユニットとして2-アミノピリジンを持つ誘導体が水溶液(pH 7)中にてシュードウリジン選択的なアルキル化を示すことを見出した。続いて、RNA中のシュードウリジンに対するラベル化を検証した。シュードウリジンを組み込んだ1本鎖RNAをラベル化分子と反応させ、ゲルシフトアッセイにより解析した結果、低収率ではあるがラベル化されたRNA由来と考えられるバンドが確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

初年度に予定していたラベル化分子の合成と機能評価は達成できたが、シュードウリジンに対するラベル化収率が低く、シーケンシング法への展開を指向した逆転写反応の基礎検討を行うことができなかったため。

今後の研究の推進方策

シュードウリジンに対するラベル化分子の反応性向上を検討する。2019年度に確立した合成経路に基づき、認識ユニットとアルキル化ユニットの改変による構造最適化を進める。また、ラベル化されたRNAを用いて逆転写反応の阻害を検証し、シュードウリジン特異的なシーケンシング法への応用を試みる。

次年度使用額が生じた理由

2019年度に計画していた生化学実験を次年度に繰り越したため。また、参加予定の学会の開催が中止されたため。2020年度において、有機合成用試薬や逆転写反応等の生化学実験用試薬の購入に使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Orthogonal base pair formation by nucleoside analogs bearing additional hydrogen-bonding units2019

    • 著者名/発表者名
      Hidenori Okamura, Giang Hoang Trinh, Fumi Nagatsugi
    • 学会等名
      The 46th International Symposium on Nucleic Acids Chemistry
    • 国際学会
  • [学会発表] 付加的な水素結合ユニットを有するデュアルヘッド型人工塩基対の開発2019

    • 著者名/発表者名
      岡村秀紀, Trinh H. Giang, 永次史
    • 学会等名
      第13回バイオ関連化学シンポジウム

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公開日: 2021-01-27  

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