生命現象を化学的な観点から明らかにしようとする場合、適切な時に、適切な場所で切断されるリンカーがしばしば必要とされる。しかし、安定性と切断条件の穏和さを両立させることは難しく、より使いやすい理想的なリンカーの開発が望まれている。これに対して、本研究では、特徴的な性質を持つリンや硫黄などの第三周期元素に着目し、このα位にアジド基を配置することで、多くの条件で安定な一方で、ホスフィンを作用させる穏和な条件にて選択的に解裂できるリンカーの開発に成功した。また、チオールと塩基を作用させた時には、アジド基を保ったまま第三周期元素を交換できることを明らかにした。
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