ガンを始め様々な疾病では代謝活性が大きく変化しているため、標的代謝経路の活性変化を検出する手法の開発は疾病メカニズムの理解や創薬研究に重要である。しかし、従来の同位体標識化合物を用いた測定では細胞集団の平均値しか得られず、代謝研究において重要な不均一性を検出することは困難である。本研究で開発したケミカルプローブはエネルギー生産に重要な脂肪酸β酸化経路を一細胞レベルで蛍光検出可能であり、培養細胞のみならずマウス肝臓サンプルでもβ酸化経路を検出可能であった。今後は本プローブを用いてβ酸化活性変化に伴うプロテオーム変化を解析することで、様々な疾病でのβ酸化が果たす役割を詳細に解析できると期待される。
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