これまでの土壌学研究は環境や植物に対する影響にのみ、そして昆虫学研究は宿主昆虫と腸内細菌の個体レベルの相互作用にのみ焦点が当てられ、両研究が接点を持つことは全くなかった。本研究成果によって、昆虫の生き死にが土壌微生物によって規定されるという新たな自然科学現象の提唱につながり、土壌学研究の新しい着眼点を提供した。 また、本研究により昆虫の生存・繁殖において生息域の土壌微生物が制限要因になることが明らかになった。昆虫のみならずその他動物の腸内微生物研究においても生息環境微生物との相互作用が注目され、本研究による知見を礎として当該分野の研究が新たな広がりを見せるに違いない。
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