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2021 年度 実施状況報告書

糸状菌転写因子ClrBとMcmAの協調によるセルラーゼ遺伝子発現誘導の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 19K15731
研究機関三重大学

研究代表者

國武 絵美  三重大学, 生物資源学研究科, 助教 (30800586)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワードAspergillus / 転写因子 / セルラーゼ / 糸状菌
研究実績の概要

前年度の研究によりClrBのC末端領域を欠損することにより,セルラーゼ生産性が失われること,核移行制御が失われて常に核内に局在することを明らかにした。本年度でもClrBの機能ドメインの解析を進めるため,GFPを融合した種々の変異ClrBを発現する株を作出した。ClrBのDNA結合ドメイン内に存在する推定核局在化シグナルを部分変異させるとClrBは細胞質に局在したことから,この配列が核局在化に重要であることが明らかとなった。内部欠損ClrBを作出して細胞内局在性を調べたが,作製した欠損体を発現する株のほとんどがClrBを示すGFP蛍光が観察されず,セルラーゼ生産性も見られなかったことから,ClrB変異体の発現が成功しなかったと考えた。一方,C末端に近い一部領域を欠損させたものに関してはセルラーゼ生産性があり,炭素源に依存せず核に局在していると思われるGFP蛍光が観察されたことから,この領域にセロビオースに応答した核移行制御機能がある可能性が示唆された。
ClrBとMcmAの細胞内での相互作用を解析するため,それぞれをタグ融合体として発現する株を用いて共免疫沈降やプルダウンアッセイを試みたが明確な相互作用を示す結果は得られなかった。広域転写因子であるMcmAは様々な補因子と結合する可能性があるため,新たな相互作用因子の探索を試みた。McmAに付加したタグに対する抗体を用いて免疫沈降した後SDS-PAGEに供したところ,コントロールには見られないバンドが出現し,McmAと相互作用するタンパク質の存在が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ClrBの安定性などのウェスタンブロット法を用いた解析が不調により遅れている。細胞抽出条件などの検討により改善が見込めているため,引き続き解析を行う。本年度はChIP解析によりin vivoにおいてClrBとMcmAがセルラーゼ遺伝子プロモーターに結合することを明らかにする予定であったが,現在条件検討をしているところである。McmAと相互作用するタンパク質の存在が示唆されたが,その同定には至っていない。一身上の理由により補助事業期間中に研究の実施が一部滞ったことが理由の一つである。当初の計画を今年度で終了することが困難であったため,補助事業期間の延長を行うこととした。

今後の研究の推進方策

ClrBの機能解析とChIP解析を引き続き行う。McmAと相互作用する因子に関しては再現実験の実施を行うと共に,同定に向けて十分なタンパク質量が得られる条件の検討を行う。

次年度使用額が生じた理由

計画通りに研究が進行しなかったことや学会がオンライン開催になったために未使用分が発生した。次年度の物品の購入や解析費などに充てる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Clostridium paraputrificumのピルビン酸ギ酸リアーゼ遺伝子の解析と水素ガス生産への応用2022

    • 著者名/発表者名
      西村 しおり、竹内 束沙、國武 絵美、木村 哲哉
    • 学会等名
      日本農芸化学会2022年度大会

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公開日: 2022-12-28  

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