• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実績報告書

多様な自然抗体と食を起源とする抗原の相互作用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K15765
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

佐々木 栄太  慶應義塾大学, 薬学部(芝共立), 特任講師 (00803157)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード自然免疫 / ポリフェノール / 修飾タンパク質 / ファージディスプレイ / 抗体 / カテキン
研究実績の概要

本研究は、食品成分に含まれる抗酸化作用をもつポリフェノール類による生体内タンパク質の化学修飾に着目し、それら修飾タンパク質と自然抗体との相互作用を明らかにすることで、食による自然免疫活性化機構について探究することを目的とした。まず始めに、ファージディスプレイ法を用いたマウス由来の一本鎖抗体(scFV)提示ライブラリーを構築し、その中から緑茶の成分であるエピガロカテキンガレート(EGCG)によって修飾されたタンパク質と相互作用する一本鎖抗体(scFv)を選び出した。しかし、当初の計画で期待していたほどの多様なscFv配列をえられなかった。そこで、ファージディスプレイ法を用いた15アミノ酸からなるランダムペプチドライブラリーを新たに構築することで、EGCG修飾タンパク質に対して親和性を示す配列の特徴を明らかにすることを試みた。15アミノ酸ペプチドライブラリーの中から選抜したEGCGまたはピセンアタノール修飾タンパク質と相互作用するペプチド配列を解析したところ、いずれもアルギニンの比率が有意に高かった。さらに、緑色蛍光タンパク質(GFP)のカルボキシル末端への15アミノ酸ペプチド融合体を作製し、これらのペプチド配列が直接ポリフェノール修飾タンパク質と相互作用することを確かめた。本結果から、生体内に存在するアルギニンリッチな配列をもつタンパク質の中に、ポリフェノール修飾タンパク質と相互作用するものが存在するのではないかという新たな着想をえた。実際、ヒトのタンパク質データベースから選び出したアルギニンリッチなペプチドが、ポリフェノール修飾タンパク質と相互作用することを実験的に確かめた。以上の結果から、ポリフェノール修飾タンパク質は、当初考えていた自然抗体に加えて、アルギニンリッチ配列をもつ生体内タンパク質とも相互作用することで生体機能を調整している可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 2021

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 抗体工学を利用した抗DNA自己抗体の解析2022

    • 著者名/発表者名
      阿南優佑、佐々木栄太、板倉正典、上田宏、内田浩二
    • 学会等名
      日本農芸化学会2022年度大会
  • [学会発表] ポリフェノール修飾タンパク質に対する高親和性ペプチドの解析2022

    • 著者名/発表者名
      山本広史, 佐々木栄太, 板倉正典, 内田浩二
    • 学会等名
      日本農芸化学会2022年度大会
  • [学会発表] ポリフェノール修飾タンパク質に対する高親和性ペプチドの解析2021

    • 著者名/発表者名
      山本広史, 佐々木栄太, 阿南優佑, 板倉正典, 内田浩二
    • 学会等名
      第94回日本生化学大会

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi