今年度は、ローヤルゼリーの成分の1つである10-ヒドロキシ-2-デセン酸(10-HDA)による抗アナフィラキシー効果のメカニズムを明らかにするため、10-HDAの代謝酵素阻害薬(アルコール脱水素酵素阻害薬またはアルデヒド脱水素酵素阻害薬)をモデルマウスに投与したときの10-HDAによる抗アナフィラキシー効果を調べた。その結果、10-HDAの最終的な代謝物である2-デセン二酸(decenedioic acid、2-DA)や3-ヒドロキシセバシン酸(3-hydroxysebacic acid、3-HSA)はともに、血小板活性化因子(PAF)やヒスタミンのいずれの活性も抑制せず、アナフィラキシーによる体温低下も抑制しなかった。一方、10-HDAの中間代謝物であるアルデヒド体である、10-オキソ-デセン酸(10-oxo-decenoic acid、10-ODA) や10-オキソ-3-ヒドロキシセバシン酸(10-oxo-3-hydroxysebacic acid、10-OHSA)がアナフィラキシーによる体温低下を有意な阻害する可能性が示唆された。
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