骨格筋の分化・融合が正常に行われることは、発生時に重要であることに加え、筋障害時における骨格筋の再生や運動時の筋増強にも関与する。筋融合が正常に行われないことで再生が進まず、筋繊維の萎縮が進行することは、サルコペニアの発症の一因であると考えられている。骨格筋融合のメカニズムを明らかにすることは、筋融合や筋再生が速やかに行われない状態の高齢者などにおいて、筋機能を維持し、健康的な生活を送ることができるようになるための知見を得る上でも有効と考えられる。骨格筋においてMFG-E8の産生を誘導するような機能性食品、薬剤などを明らかにすることで、サルコペニア予防に寄与することが期待できる。
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