研究課題
若手研究
培養細胞を用いた検討により、河内晩柑果皮水溶性抽出物およびp-シネフリンのマクロファージに対する抗炎症効果とその作用機構を明らかにした。特に、p-シネフリンはβアドレナリン受容体を介して、マクロファージからのLPS誘導性炎症性サイトカイン産生を阻害することが示唆された。また、全身性炎症反応症候群モデルマウスやデキストラン硫酸ナトリウム誘発性大腸炎モデルマウスでの検討により、河内晩柑果皮水溶性抽出物およびp-シネフリンは生体においても抗炎症効果を発揮することが示唆された。
食品機能学
柑橘果皮に含まれる機能性成分の機能性食品への応用は、ノビレチンやオーラプテンなどの脂溶性成分に偏っており、水溶性成分の機能性についての研究報告や活用例は極めて少ない。本研究により、河内晩柑果皮水溶性抽出物および果皮成分p-シネフリンの新規機能として、マクロファージに対する抗炎症効果が明らかになったことで、河内晩柑を含め、柑橘果皮の保健機能を基にした機能性食品の開発が飛躍的に活発化すると期待できる。