研究課題
健康寿命の延伸のため骨格系疾患の改善と予防は必須といえる。本研究では骨格系疾患改善 ・ 予防効果を示す成分の一つである「 コラーゲンペプチド 」に着目し、未だ判然となっていないコラーゲンペプチドの骨格系での作用メカニズムを明らかにすることを目的とする。具体的には骨芽細胞内においてFoxファミリー転写因子をはじめとする種々の転写因子とコラーゲンぺプチドがどの様に関与するかについて、分子生物学および遺伝子工学的手法を用いて解明する。コラーゲンペプチドを骨芽細胞に作用させると分化マスター転写因子であるRunx2のmRNA発現量を上昇させる。Runx2の転写調節には、その上流のシグナル伝達機構としてMAPKカスケード、Smadシグナリングが活性化されることが報告されている。本年度は、これらシグナル伝達経路を介してコラーゲンペプチドが遺伝子発現調節に関与している可能性を考え、骨芽細胞分化シグナリングに与える影響について検討した。コラーゲンペプチド の一つであるPro-Hypを骨芽細胞用細胞株MC3T3-E1作用させたところERK1/2のリン酸化を亢進させることを報告した。今後さらに関連するシグナル伝達経路への影響と阻害剤を用いた際のRunx2等の転写因子の遺伝子発現量への影響を解析していく。
3: やや遅れている
初年度では、SMADシグナリングへの影響についての検討が進んでいないが、コラーゲンペプチドの一つであるPro-Hypを骨芽細胞用細胞株MC3T3-E1に作用させることで、ERK1/2のリン酸化が亢進されることを明らかにした。
次年度では、コラーゲンペプチドの一つであるPro-Hypを骨芽細胞用細胞株MC3T3-E1に作用させた際のSMADシグナリングへの影響について、阻害剤を用いながら、WesternBlottingによりリン酸化への影響を検討する。また同条件下でのRunx2転写因子の遺伝子発現量への影響についてqPCRにより解析していく。
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食品加工技術
巻: 39 ページ: 31-37
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