記憶機能は「記銘」-「保持」-「想起」から構成される。本研究では認知症患者で障害されている「想起」に着目し、想起障害の発症ならびに病態メカニズムの解明を目指した。「想起」を誘導したマウスの海馬ではMyelinationに関わる遺伝子の発現変動が確認された。また、「想起」が障害された認知機能障害モデルでは炎症反応に関わるいくつかのBiological processに影響が認められた。以上より、神経炎症によって産生された炎症性サイトカインがミエリン機能にダメージを与えることで脳機能障害が誘導されるという「ミエリン仮説」を補強する成果が得られた。
|