農薬の残留基準は、対象とする食品により農薬本体だけでなく、代謝物等も含めた基準値が設定されている。本研究では、流通食品中に残留している農薬本体及びその代謝物等の存在確認を可能とする高感度分析法を確立し、残留基準値設定における科学的根拠となるデータを収集し、その適格性を検証することを目的とした。分析法を確立したのち、県内の流通食品について残留実態調査を実施したところ、一部の野菜・果実、野菜加工品から農薬本体と代謝物等が同時に検出された。今回の調査結果により、基準値設定における有用なデータが収集でき、食品の種類によって農薬本体と代謝物等の存在割合に特徴的な規則性がある可能性が示唆された。
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