研究課題/領域番号 |
19K15802
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研究機関 | 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所 |
研究代表者 |
武田 章弘 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 衛生化学部, 研究員 (00622755)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | いわゆる健康食品 / 医薬品成分 / QuEChERS法 |
研究実績の概要 |
前年度までに実施した前処理法が実際の医薬品成分にも適用可能か、つまり医薬品成分は除去されず、マトリックス成分のみが除去されるかを検討した。そこで健康食品に違法に配合されうる医薬品成分のうちシルデナフィル、タダラフィル、バルデナフィルについて、直線性の確認、熱分解の確認、QuEChERS法による回収率の確認を行った。 直線性については、いずれの医薬品成分についても、5-80 ppmの範囲で相関係数が0.99999以上で良好な直線性が得られた。 カプセル様の健康食品の場合、カプセル基材自体に医薬品成分を配合する事例があるため、カプセル基材を溶解し医薬品成分を抽出する必要がある。カプセル基材を溶解する際は加熱することから、医薬品成分が熱によって分解しないことを確認した。そこで、n=3で検討したところ、いずれの医薬品成分についても、平均で96-113 %の回収率であったことから、熱による分解はなく、カプセル基材からも回収可能であると考えられる。 QuEChERS法による回収率については、n=3で検討したところ、いずれの医薬品成分についても、抽出操作(水/アセトニトリルと無水硫酸マグネシウム及び塩化ナトリウムによる塩析)では回収率は約100%であり、除去されてしまうことはなかった。精製操作(分散固相抽出)については、カーボングラファイトではいずれの医薬品成分も回収できず、C18、PSAではいずれの医薬品成分も回収率は約100%であった。ジルコニアではタダラフィルの回収率が約100%であったのに対し、シルデナフィル、バルデナフィルの回収率は約50%に低下した。したがって、医薬品によって使用する固相担体を選択する必要があることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
育児休業のため2021年9月まで研究を中断したため。
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今後の研究の推進方策 |
対象とする健康食品検体の数を増やすとともに、医薬品成分由来のピークと被るマトリックスを有する健康食品検体を用い、添加回収試験を実施し、健康食品中の医薬品成分の前処理法の有用性を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年9月まで育児休業により研究を中断していたため。
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