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2019 年度 実施状況報告書

環境変化によるオオムギ穂形質可塑性の分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K15816
研究機関鳥取大学

研究代表者

佐久間 俊  鳥取大学, 農学部, 助教 (40717352)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード表現型可塑性 / 環境適応 / 穂形態
研究実績の概要

オオムギの穂は二条性と六条性に大別されるが、六条性品種の中には側列小花が不規則に退化する「不斉条」がある。不斉条を示す系統は作期の違いや年毎の環境変動によって六条性或いは二条性に近い穂形態を示すことから、不斉条の側列小花の退化程度は可塑的である。表現型が視認できるため、環境応答性を解析する上で格好の素材と考えられるが、詳細な分子遺伝機構は明らかになっていない。本研究では不斉条遺伝子を単離し、環境に応答した穂形態の可塑性を制御する分子機構を明らかにする。研究方法としては準同質遺伝子系統を使用し、全ゲノム配列解読により変異を同定する。さらに、不斉条の形質発現がどのような外部環境に依存するのか明らかにする。本研究によりイネ科植物の小花発達抑制メカニズムに関する新規の遺伝機構が明らかになり、穂の可塑性が環境適応性にどのように寄与したのかの解明につながることが期待できる。今年度はオオムギ不斉条系統の形質発現機構を明らかにするため、圃場条件での栽培試験を行った。植物材料としてNBRP-barleyより分譲を受けたオオムギ標準品種セット274系統を使用した。鳥取大学乾燥地研究センター実験圃場と鳥取大学農学部実験圃場で秋まき栽培を行った。穂が完熟したのち、1系統につき10穂ずつサンプリングを行いスキャナーで画像を取得した。画像データから穂長、穂あたり小穂数を算出し、不斉条系統に関しては小花の欠落数を計測した。その結果、乾燥地研究センター圃場で小花の欠落歩合が農学部圃場よりも有意に高いことがわかった。先行研究において低肥料条件で不斉条系統を栽培すると小花欠落歩合が高まることが報告されている。砂地圃場では何らかの栄養素が欠乏している可能性が考えられるため、今後詳細に調査していく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

不斉条形質を促進する栽培条件を突き止めることができた。また、遺伝子単離に向けた材料養成も進んでいるためおおむね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

全ゲノムショットガン配列を取得済みのオオムギコアセット、分離集団、準同質遺伝子系統を用いて表現型を調査し、候補遺伝子の同定を行う。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2020 2019 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件) 備考 (2件)

  • [国際共同研究] IPK(ドイツ)

    • 国名
      ドイツ
    • 外国機関名
      IPK
  • [雑誌論文] Of floral fortune: tinkering with the grain yield potential of cereal crops2019

    • 著者名/発表者名
      Sakuma Shun、Schnurbusch Thorsten
    • 雑誌名

      New Phytologist

      巻: 225 ページ: 1873~1882

    • DOI

      10.1111/nph.16189

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 麦類の穀粒数を制御するホメオボックス遺伝子の進化2020

    • 著者名/発表者名
      佐久間俊
    • 学会等名
      第61回日本植物生理学会年会
    • 招待講演
  • [学会発表] ホメオボックス遺伝子変異によるコムギ穀粒形質のトレードオフ2020

    • 著者名/発表者名
      六原菜穂・大西志全・神野裕信・山下陽子・田中裕之・佐久間俊
    • 学会等名
      第137回日本育種学会講演会
  • [学会発表] Enhancing grain yield by improving floret fertility in wheat2019

    • 著者名/発表者名
      Shun Sakuma
    • 学会等名
      PAG Asia
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Improving floret fertility through the mutation of a homeobox gene during wheat evolution under domestication2019

    • 著者名/発表者名
      Shun Sakuma
    • 学会等名
      1st International Wheat Congress
    • 国際学会
  • [学会発表] コムギ穀粒数の増加が小麦粉品質に及ぼす影響2019

    • 著者名/発表者名
      六原菜穂・大西志全・神野裕信・山下陽子・田中裕之・佐久間俊
    • 学会等名
      第14回ムギ類研究会
  • [学会発表] コムギ穀粒数の増加が小麦粉品質に及ぼす影響2019

    • 著者名/発表者名
      六原菜穂・大西志全・神野裕信・山下陽子・田中裕之・佐久間俊
    • 学会等名
      第11回中国地域育種談話会
  • [備考]

    • URL

      http://staff.muses.tottori-u.ac.jp/ssakuma/

  • [備考]

    • URL

      https://www.facebook.com/tottoritriticeae

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公開日: 2021-01-27  

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