本研究では、果実の商品価値を決定する重要な要素の一つである果実サイズについて、カキの主要栽培品種である九倍体 ‘平核無’ から生じた小果変異を対象に、ゲノミクスと果実生理の側面から解析した。今回対象とした小果変異体は、細胞サイズに違いはないが、細胞数が極めて少ない。開花期前後の子房組織の発達特性やトランスクリプトームを詳細に調査した結果、器官発達の速度が果実サイズと関連している可能性が示された。ゲノムデータも組合わせ、‘平核無’ のゲノム特性や、小果変異の果実成熟に対する多面発現のメカニズムと起源を推定することができた。
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