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2020 年度 実施状況報告書

シクラメンにおける八重咲き形質の多様性と安定性の遺伝的制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 19K15833
研究機関九州大学

研究代表者

水ノ江 雄輝  九州大学, 農学研究院, 助教 (50759206)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードシクラメン / 八重咲き / 花器形態形成 / ABCモデル
研究実績の概要

萼弁化型八重咲きシクラメンの萼弁化形質について,一重咲き品種に完全八重き品種を交配した複数のF1系統および完全八重咲き品種のS1系統を新たに供試し,萼弁化程度の季節変化および系統間差・個体間差を調査した.F1系統では,一重咲き個体と八重咲き個体が出現し,多くの系統において分離比は1:1に適合したが,一部のF1系統やS1系統では,異なる分離比を示した.これらの結果は,前年度までに明らかにした不完全八重咲き品種に由来する萼弁化形質の遺伝様式とは異なっていた.また,完全八重咲き品種に由来するF1系統の八重咲き個体では,不完全八重の品種を親に持つ場合と比べて,萼弁化程度の季節変化は小さく,萼弁化形質は安定して発現した.そのため,系統間差および個体間差も小さかった.以上のことから,完全八重咲き品種に由来する萼弁化形質については,不完全八重咲き品種とは異なる遺伝子が萼弁化に関与する可能性を考慮し,より詳細な調査が必要であると考えられた.複数の八重咲き遺伝子が存在する可能性について,遺伝解析だけでなく後代の表現型からも明らかにすべく,不完全八重咲き品種に由来するS1系統および完全八重咲き品種に由来するF1系統との間で交配を行った.
MADS-box遺伝子のシークエンス解析およびメチル化解析を実施するため,一重咲き品種,不完全八重き品種および完全八重咲き品種から複数の品種を供試し,DNA抽出を行った.メチル化解析のサンプルでは,通常花弁・萼(萼由来花弁)を対象とし,不完全八重咲き品種においては同一個体の弁化程度の異なる花から、それぞれ萼由来花弁を採取した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

MADS-box遺伝子のシークエンス解析およびメチル化解析に用いる必要数以上のサンプルを準備できた一方,新型コロナウイルス感染拡大防止のため,当初計画よりも解析の進捗に遅れが生じた.

今後の研究の推進方策

これまでに得られたサンプルを用いて,引き続きMADS-box遺伝子の機能解析(シークエンス解析),DNAメチル化解析および遺伝子発現量の調査を実施する.不足するデータについては,次回の開花期(2021年冬期)に充実させる.

次年度使用額が生じた理由

2020年度は,植物栽培(表現型調査),サンプル採取および一部の解析を実施することができた一方,新型コロナウイルスの感染拡大防止のため,当初予定通りには実験を進めることができなかった.また,研究成果を発表するため学会等への出張を予定していたが,多くが中止となったことから,旅費の支出が無かった.次年度(2021年度)には,感染予防に努めながら,遅れの出ている実験についても実施し,参加可能な関連学会および論文執筆を通じて成果発表を行う予定であることから,次年度に交付される助成金と併せて請求を行う.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Seasonal variation of sepal-petaloidy in F1 progenies of double-flowered cyclamen2020

    • 著者名/発表者名
      Yuki Mizunoe, Daiki Kumamoto and Yukio Ozaki
    • 学会等名
      III Asian Horticultural Congress
    • 国際学会

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公開日: 2021-12-27  

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