ウイルスゲノムは多様性に富むため,かつては新規ウイルスの発見・解析に多大な労力と専門性が要求された.近年,次世代シーケンス技術の発展に伴い,ウイルスの探索やゲノム解析が容易になり,昆虫の潜在ウイルスが無数に見つかるようになった.しかしながら,新規ウイルスの生物学的・ウイルス学的解析には依然として定石の解析は確立されておらず,ケースバイケースな対応が必要になってくる.今後,全メスウイルスのような性操作ウイルスも多く発見されることが予想される.本課題で築いたウイルスおよび宿主に関する研究基盤が,さまざまな新規宿主性操作ウイルスの発見,性操作の至近要因・究極要因の解明に貢献できると期待している.
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