研究課題
ツシマヤマネコ、ヤブイヌ、フンボルトペンギン各1個体について、ショートリードによるNGS解析を行い、リファレンスゲノムを作製し、公共データベースに登録・公開した。ツシマヤマネコについてはロングリード解析を追加し、リファレンスゲノムを更新・公開した。ツシマヤマネコ4検体の全ゲノム解析を実施し、ベンガルヤマネコのその他の集団(や亜種)とヘテロ接合率と近交係数の比較を行った結果、ツシマヤマネコが他集団と比較し低いヘテロ接合率(高い血縁係数)を持つことを明らかにした。また、ベンガルヤマネコにおいて開発されたマイクロサテライトマーカーを用いて、韓国の集団とツシマヤマネコの遺伝的多様性指標結果を比較した結果、ツシマヤマネコの遺伝的多様性は低いことを示した。さらに、Gras-Di解析を行い、139個のSNPマーカーを特定した。これらのSNPマーカーを用いて、飼育下・野生個体の遺伝的多様性の比較を行い、飼育下の遺伝的多様性は野生集団と比較し、低い遺伝的多様性であったが、大きな違いはないことを明らかにした。ニホンザルおよびチンパンジーの糞から抽出したDNAを用いて、DNAメチル化を指標とした年齢推定法の確立を試み、ニホンザルでは実年齢との誤差5.51年、チンパンジーでは4.95年の年齢推定が可能であった。DNAメチル化の加齢における変化について、フンボルトペンギン1個体について全ゲノムバイサルファイトシークエンスを行った。フンボルトペンギンにおいてはゲノム全体のメチル化率は加齢により上昇することを示した(CpGは66.5%から68.6%、CHGは2.2%から2.5%、CHHは2.7%から2.9%)。
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