研究課題/領域番号 |
19K15864
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
川口 暢子 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 研究機関研究員 (20816277)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | CO2 emission / Life-cycle CO2 / Labor input / Greenspace management / LCCO2 / Urban forest / Resources time footprint |
研究実績の概要 |
本研究は,名古屋大都市圏を対象とし,都市緑地管理に際する作業量,CO2排出量,エネルギー資源量を推計し,将来管理人口を考慮した伐採枝のエネルギー利用シナリオを評価することを全体目標としている. 当該年度は,①名古屋市及び周辺地域の緑地管理GISベースマップの構築,②ヒアリング・アンケート調査による作業量・CO2排出量の定量化を実施した. 特に,②については具体的な研究成果が得られた.まず,(1)森林・農村地域(当該年度では三重県松阪市を対象)における将来管理人口当りの投入作業量を視覚化することが可能となった.次に,(2)都市域(当該年度では愛知県名古屋市を対象)における緑地管理の投入作業量,CO2排出量を推計し,全市的な空間分布として示した.この成果では,緑地管理に際し発生するCO2排出量をヒアリング調査によって新たに明らかにし,投入作業量と併せた空間分析を行うことが可能となった.最後に,(3)都市域(当該年度では愛知県名古屋市を対象)における森林管理に要する資源占有の時間フットプリント(RTF)を「鉱物資源」「CO2許容量」「労働」「土地」の別に試算し,都市森林の伐採枝リサイクル手法および管理レベルに応じたシナリオ評価を行うことにより,管理手法によってどの程度資源占有量が異なるかを評価する手法を開発した.「占有」とは,「ある機能を得るためにある期間に亘って物質や土地などを利用している状態を,製品またはサービスを生成するための資源の総容量に対する占有量の比に占有期間を乗じたもの」として定義され,本研究では森林管理活動の持続可能性を評価する手法として採用した.この成果では,(2)での成果である投入作業量やCO2排出量に加え,鉱物資源や土地といった多種の指標を導入し,伐採枝をエネルギー資源としたときの統合的な環境評価を行うことが可能となった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
初年度及び2年度目にかけての計画は,①緑地管理GISベースマップの構築,②ヒアリング・アンケート調査による作業量・CO2排出量の定量化である.①については公開データの取得整備及び各自治体でのデータ整備を進行中である.②については名古屋市についてヒアリング調査による定量化を実現した.加えて,名古屋市に限定し,3~4年度目の計画としていた③作業量及びCO2排出量の空間分布の可視化および④緑地管理シナリオに基づく作業量・CO2排出量の評価を実施することで,本研究の評価手法の基礎をつくることができたことは,当初の計画以上の成果であった.
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今後の研究の推進方策 |
2年度目は,引き続き①緑地管理GISベースマップの構築を実施するとともに,②ヒアリング・アンケート調査による作業量・CO2排出量の定量化を継続する.②ではこれまで明らかとしてきたヒアリング調査に基づく名古屋市の原単位から発展し,アンケート調査による作業量・CO2排出量の広域的な定量化を目指す.
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