樹皮下キクイムシは,世界中の針葉樹林で甚大な被害を及ぼしている.近年アジアでも,樹皮下キクイムシの一種であるトドマツノキクイムシによる被害が顕在化している.2019年度から2023年度の5年間の助成では,トドマツノキクイムシを材料に,樹皮下キクイムシの産卵選好性と寄主利用能力,およびその地理的変異を明らかにすることを目的とした.これまで,以下のX点に関する9本査読付き国際論文が受理,公表された. 1)小径木への選好性,2)繁殖様式と坑道の様式,3)穿孔場所と樹皮構造の関係,4)産卵選好性とその地理的変異,5)加害成功率とその地理的変異,6)再寄生の発見,7)伐倒・風倒木の効果的な処理.
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