本研究では、林業用主要樹種であるスギ(Cryptomeria japonica D. Don)のフェノロジー(生物季節)制御における時計遺伝子(GIGANTEA)の役割を明らかにするため、時計遺伝子CjGIを過剰に発現させたスギの組換体を作製した。組換体では非組換体と比べて、① フェノロジーが遅れること、② 秋(9月から11月)の遺伝子発現が大きく異なっており、それらは短日応答遺伝子を多く含んでいることが明らかになった。これらの結果から、CjGIは秋の短日に応答し、シグナル経路の下流に位置する遺伝子の発現量を制御することで、秋のフェノロジーを制御していると推定された。
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