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2019 年度 実施状況報告書

割り箸・ティーバッグ大規模分解実験と機械学習の併用による有機物分解速度の広域推定

研究課題

研究課題/領域番号 19K15879
研究機関国立研究開発法人森林研究・整備機構

研究代表者

森 大喜  国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (90749095)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードティーバッグ / 割り箸 / 有機物分解 / 炭素循環 / 機械学習 / マッピング
研究実績の概要

初年度の成果としては, 以下の2点が挙げられる。(1)割り箸の最適な設置期間を1年間と決定した。(2)公開データを用いてランダムフォレスト法によるティーバッグ分解速度予測モデルを作成した。無添加の割り箸2種類を熊本県立田山のスギ林およびヒノキ林に設置し分解試験を行うことで, 最適な設置期間は1年間であると決定した。さらに, 熊本, 京都, 長崎, 北海道に試験地を設置し,機械学習モデルの構築に必須の割り箸・ティーバッグ分解データを取得する体制を構築した。それに加え, 2019年の9月に他の研究チームからティーバッグ分解データがデータペーパーとして公開されたため, そのデータを解析してランダムフォレストモデル法によるティーバッグ分解速度予測モデルを作成した。作成したモデルの予測精度をhold-out法によって検証したところ, R2は0.37であった。モデル作成のためのサンプル数が62点であった点を考慮すると, 今後データが蓄積された場合, ランダムフォレストによる推定は十分可能であると考えられた。説明変数の相対重要度を解析したところ, 平均気温が最も重要な変数として選択された。さらに, 部分従属プロットを作成し, 説明変数と分解速度の関係を解析したところ, 平均気温, 降水量, 日射量, 相対湿度が上昇するほど, ティーバッグの分解が速くなることが明らかになった。一方, 標高, 傾斜, Topographic Position Indexについては, これらの値が低下するほどティーバッグの分解が速くなることが明らかになった。今後広域拡張を目指してデータの蓄積を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初本年度の達成目標は, 割り箸の最適な設置期間決定と試験地設置・割り箸およびティーバッグの分解試験の開始のみであったが, データペーパーが公表されたためランダムフォレストモデルの作成とその検討を行うことができ, 達成度については想定以上であったと言えるため, 「おおむね順調に進展している」とした。データ取得等の全体的な進捗についも概ね計画通りであった。

今後の研究の推進方策

今年度に引き続き, 全国の多点調査を拡張し, ティーバッグおよび割り箸の分解速度を明らかにする。さらに, ティーバッグ法について水による流亡が分解速度に及ぼす影響について明らかにする。新型コロナウイルスの影響で調査の実施が困難となっており, 当面は培養実験等の室内作業や論文執筆を前倒しで行うが, このような状況が継続する場合には, 研究期間の延長を検討する可能性がある。

次年度使用額が生じた理由

調査地においてイノシシがいの防除資材の購入・設置費用が急遽必要となり, 機械学習およびマッピングに必要なワークステーションの購入を見送ることで資材等費用を捻出した。今年度は既存の計算機で機械学習を演算・分析したが, 次年度は画像解析のためのワークステーションが必要不可欠であり, ワークステーション購入費用として充当する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ランダムフォレストとティーバッグを用いた気候変動による有機物分解速度の変化予測2020

    • 著者名/発表者名
      森大喜, 酒井佳美, 鳥山淳平, 橋本徹, 伊藤江利子, 梅村光俊, 石塚成宏, 橋本昌司, 山下尚之, 青柳亮太,多賀洋輝
    • 学会等名
      日本森林学会

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公開日: 2021-01-27  

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