研究課題
最近、申請者は環境条件下での木材腐朽で実際に働いている酵素を初めて網羅的に同定した(Hori et al. AEM 80(20) 2018. Spotlight researchに選択された)。その結果、様々な微生物種由来の1000個以上の遺伝子が、木材分解に関わっていることが予想された。これら遺伝子資源はほとんどが解析されていない配列であった。また、それらの中には、相乗的に働くことが知られているセルラーゼ・ヘミセルラーゼが高発現していたことから、生物相互作用により選抜された酵素は基質に適応した分解を達成していると考えられた。そこで本研究では、自然環境下での木材分解酵素を対象として、酵素を生化学的に解析し、多様な微生物が関与する分解酵素のネットワークを明らかにすることを目標とする。今年度は、自然環境下において複数の地点での腐朽木材を回収し、微生物叢や酵素配列および発現量を網羅的に解析する、メタオミクス解析に関する解析を進めることで、微生物種や分解酵素について明らかにした。その結果、見た目の腐朽型および微生物群との相関および分解酵素の関係性を解明できた。また、得られた情報の中から酸化還元酵素遺伝子の選択を行い、遺伝子合成および酵素生産・酵素解析を行った。このような結果から、自然環境下で働く分解酵素の機能を明らかにできた。それら成果を元に、論文発表5件、学会発表5件(うち招待講演2件)を行なった。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 2件) 産業財産権 (1件)
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