微細藻類を利用し,環境水中のリン・アンモニアの除去とともにリン回収を最大化させる環境制御技術を確立することを目指した。マレーシアや日本から単離した151株を対象に,アンモニア耐性を有し且つ増殖能の高い藻株(11株)を選定し,ポリリン酸(PolyP)蓄積能を調べた。PolyPは緑藻のSLG4-06株で最も高い蓄積量を示したことから,リン除去・回収の有望株と判断された。当該株のPolyP蓄積能に対する光強度と温度の影響を調べた。その結果,増殖速度とPolyP量は25℃・250 μE/m2/sの条件下で最大となり,増殖が最も活発な時期に細胞内にPolyPとしてリンを蓄積しやすいことを明らかにした。
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