| 研究課題/領域番号 |
19K15898
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| 研究機関 | 宮城大学 |
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研究代表者 |
片山 亜優 宮城大学, 食産業学群, 助教 (00740218)
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| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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| キーワード | キタムラサキウニ / 網羅的解析 / 陸上植物 |
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| 研究実績の概要 |
昨年度、炭素・窒素安定同位体分析によりキタムラサキウニは陸上植物を消化・吸収できること、そして陸上植物に含まれる一部の脂肪酸がウニの生殖巣に反映することがわかった。本年度はそれらの成果を基に、キタムラサキウニを対象として、餌や給餌条件とウニの生殖巣の成分との関係を検討した。生殖巣成分の網羅的解析を行うため、ＤＡＲＴ-ＭＳ（JEOL社製）を用いてノンターゲット分析を行った。
キタムラサキウニを対象種として、磯焼け海域から採取した個体、藻場に生息していた天然個体、磯焼け海域から採取後、1カ月間2種類の餌により飼育した個体の生殖巣を用いた。飼育個体の餌は海藻である塩蔵ワカメと陸上植物であるシロクローバーを与え、飽食状態で飼育した。塩蔵ワカメ給餌区とクローバー給餌区では、遊離アミノ酸含有量の増加も確認され、給餌した餌料は消化・吸収されていると考えられたが、検出された成分に差はなかった。しかし、磯焼け海域個体と天然海域個体で有意な差が認められた。また飼育により低分子量範囲（0～400）では、質量109.1が減少する傾向にあり、餌料環境が良い環境であったウニでは質量251.1、242.2などの物質に高い傾向がみられた。餌不足であるとウニの生殖巣の成分に影響があることがわかった。これらの検出された物質の推定分子式を求めたものの物質の特定には本年度は至らなかった。今回、餌料の違いにより成分に差が表れなかった要因として、飼育期間が不十分であったこと、また試験開始時期がウニの生殖巣の成分に反映しにくい時期にあったことが考えられる。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予定していた飼育試験は行うことが出来たが、新型コロナによる緊急事態宣言により飼育試験を行う施設への立ち入りが制限され飼育期間を十分に得ることが出来なかった。また学会での発表も行うことができなかった。今年度は立ち入り制限の緩和により予定通り試験を行うことが出来る見通しである。
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| 今後の研究の推進方策 |
今後はＲ２年度の結果を踏まえ、陸上植物の給餌によりキタムラサキウニおよびヤマトシジミの代謝がどのように異なるのかＤＡＲＴ－ＭＳを用いて検討していく。また最終年度（Ｒ3年度）となるため、学会などでの成果発表を積極的に行う。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
Ｒ2年度は新型コロナの影響により学会発表ができず、そのための旅費が未使用となった。今年度は計画通り、飼育試験、分析を行う予定であり、それらの費用に、そして学会発表などの成果報告に旅費などを用いる。
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