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2020 年度 実績報告書

藻類-自由生活性バクテリア相互作用の網羅的解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K15904
研究機関国立研究開発法人国立環境研究所

研究代表者

鈴木 重勝  国立研究開発法人国立環境研究所, 生物・生態系環境研究センター, 特別研究員 (10785108)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2021-03-31
キーワード微生物相互作用 / 藻類 / 鞭毛 / 自由生活性バクテリア
研究実績の概要

本年度は、昨年度見出したバクテリアによるNIES-2893株の鞭毛誘導機構について、その一般性とメカニズムを明らかとすることを主目的とし、研究を行なった。新たに5種の緑藻について、バクテリアによる遊泳細胞誘導を試験したところ、3種で同様に誘導可能であることが示された。誘導不能であった2種は緑藻の中でも細胞サイズが小さく、サイズによる制約があることが示唆された。また、バクテリアによる遊泳細胞の誘導機構は緑色植物の初期分岐系統に広く保存されていることが明らかとなった。
次に、バクテリアの種特異性を明らかとするためにNIES-2893とNIES-2582のバクテリアの交換実験を行なった。それぞれのバクテリアはアルファプロテオバクテリア綱とガンマプロテオバクテリア綱であり系統的に異なるが、両者ともに遊泳細胞誘導能を有していた。従って強い種特異性はないことがわかった。
さらに、遊泳細胞誘導の分子メカニズムを明らかとするために、NIES-2893の共存バクテリアPCB-4株に対して、エチルメチルスルホン酸により変異誘導を行なった。960コロニーを単離し、NIES-2893株と混合し遊泳細胞の誘導を観察したところ、遊泳細胞を誘導できない5変異株を得ることができた。今後、この変異株について詳細な解析を進める予定である。
本研究全体をまとめると、難無菌化渦鞭毛藻と自由生活性バクテリアとの相互作用の解析から、自由生活性バクテリアと藻類との間に代謝産物を介した強い結びつきがあることが明らかにできた。また、自由生活性バクテリアが単細胞性藻類の形態形成に影響を与えることを初めて示すことができた。これらの知見は、水環境解析において、藻類とバクテリアの動体をトータルに解析する重要性を示している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 2020

すべて 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 全ゲノム解析から明らかにする緑色植物初期分岐系統における遊泳細胞の誘導と進化2021

    • 著者名/発表者名
      鈴木重勝,山口晴代,河地正伸
    • 学会等名
      日本藻類学会第45回大会
  • [学会発表] 多様な系統の真核藻類を中心とした栄養様式の変化に伴うゲノム進化に関する研究2020

    • 著者名/発表者名
      鈴木重勝
    • 学会等名
      日本植物学会第84回大会
    • 招待講演
  • [学会発表] 自由生活性バクテリアによる海洋性プラシノ藻の細胞ステージの変化2020

    • 著者名/発表者名
      鈴木重勝,山口晴代,河地正伸
    • 学会等名
      日本植物学会第84回大会

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公開日: 2021-12-27  

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