NK活性を有する細胞集団を同定し、その集団でのみ高発現している遺伝子をマーカーとして活用するというアプローチは魚類の先行研究にはない新規手法である。これまでの魚類NK細胞研究は、クローンや近交系の存在しない魚種が用いられ、遺伝的に均一な細胞の準備ができないため、養子移入実験などの実施が困難であった。本研究でクローンギンブナに対する研究ツールを開発できたことは、養子移入実験などこれまで解析出来なかった魚類NK細胞の役割を解明する上で非常に重要である。本研究で見出した免疫賦活剤は、現在養殖の現場で問題となっている細胞内寄生細菌等の感染症に対する防除技術として利用でき、社会的意義が大きい。
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