研究課題/領域番号 |
19K15921
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研究機関 | 駿河台大学 |
研究代表者 |
張 采瑜 駿河台大学, 経済経営学部, 准教授 (00612970)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 台湾 / 食の安全 / フードシステム / 農地貸借 |
研究実績の概要 |
本研究の課題は、経済発展が進むアジア諸国においてどのように農業部門の構造調整を進めるかについて、アジアにおいて先進国段階にある日本や台湾などの経験から明らかにすることである。今年度は主に以下のような研究を行った。(1)台湾で2018年11月に行われた日本産食料の輸入規制に関する公民投票に関する電話調査のデータ分析を中心に行った。分析の結果、輸入規制の継続に対して同意する層の性別・年齢・支持政党などが明らかになった。分析結果を学会において研究報告をした。また属性と地域をコントロールした定量的な分析を行い、政党支持が福島近隣5県への影響をさらに分析した。分析結果により、食の安全問題について、政治的な要因への寄与の度合いを明らかにした。研究成果がJournal of Contemporary East Asia Studies(Taylor & Francis)に掲載された。 (2)台湾における農地貸借について、集落レベルの個票データを用いた空間計量分析を行い、農地流動化要因を分析し、国際学会で発表する予定である。また、追加的なデータを得て、計量経済の手法により農地集積の政策的な要因を分析している。 (3)訪日ベジタリアンの食の探索の経験をThe 2020 Asia Pacific Society for Agricultural and Food Ethics Conference (APSAFE 2020)で報告し、プロシーディングスとして掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
台湾の食品輸入の公民投票に関する研究は予定通りに進捗し、論文が掲載されている。また、台湾の農地貸借についても、前年度整理したデータを利用して定量的な分析を計画通りに進展している。したがって今年度は概ね順調に進展していると言える。 ただし、新型コロナウイルス感染症の影響によって、海外の現地調査を行えず、海外の協力者との打ち合わせもできなかった。そのため、前年度予定していた海外の現地フィールドワークを行う時期は今年度も行えなかった。次年度の実施も不可能の場合、次年度から遅れが発生する可能性が高い。
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今後の研究の推進方策 |
海外の現地調査が困難である研究については、既に整理済みのデータを行った統計分析を先行して行って分析して投稿をする。その他、研究計画において現地調査などの必要性が少ない研究を先行して行うことにより、研究の完成を目指す。 新型コロナウイルス感染症の状況によって今年度から来年度にかけて海外のフィールドワークを再開したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症により、国内学会の中止/オンライン化、国際学会の中止および海外フィールドワーク、海外協力者との打ち合わせが実施できなかったため、次年度使用額が生じた。 来年度以降は、新型コロナウイルスの収束の場合、計画通りに使用する。 新型コロナウイルス感染症の拡大が長期にわたる場合、オンラインでの代替案やオンラインのサーベイ方法を検討する。
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