研究課題/領域番号 |
19K15922
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研究機関 | 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター |
研究代表者 |
白鳥 佐紀子 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 研究戦略室, 主任研究員 (60746486)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 栄養改善 / 消費者行動 / マダガスカル / 食生活 / モチベーション |
研究実績の概要 |
栄養問題は、持続的な開発目標(SDGs)にも掲げられた最優先課題の1つである。マダガスカル国では栄養不足が深刻で、コメに偏った食生活を送るため栄養バランスは不均衡であり経年変化(栄養転換)も殆どみられない。栄養に関する啓発活動は盛んにされても、その後栄養改善につながる食習慣に結びつかないようである。本研究では、マダガスカルで食生活の変化が起こりにくい要因を消費者行動面から分析し、栄養改善に実効性のある政策立案に貢献することを目的とする。 平成31(令和元)年度は本研究の初年度にあたる。研究代表者は本研究に先立ち、マダガスカル国中央高地の農村で600世帯を対象として定期的な家計調査を開始しており、本研究ではそのデータを活用しつつ追加調査を行うことで実施する。初年度はまず家計調査で得られたデータのクリーニングを進め、本研究に関連する部分の解析を行った。5歳未満の子供の約半数が発育阻害であること、コメを好むが価格や入手可能性などがキャッサバよりも劣ると感じていることなど、食事パターン・栄養状態・嗜好等の現状を把握した。予備的分析の結果の一部を論文や講演で引用した。また、自分の健康に疑問を感じなければ、また栄養不足によって身体症状が引き起こされることを知らなければ、食生活の変化ひいては栄養改善への意欲が湧かないのも当然だと思われるため、家計調査で得られる身長・体重、食事内容、病気の罹患等についての情報に加え、自分や家族の健康の主観的評価や栄養知識の程度を測る質問を追加した。追加質問は文献レビュー等をもとに地域性なども考慮して考案した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
家計調査を実施しつつ、データ整理を行い、食料・栄養供給の現状の把握を進めている。主観的な健康状態や栄養に対する知識を測定するための質問項目を決定し、家計調査に追加した。
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今後の研究の推進方策 |
食料・栄養供給の現状把握とともに、主観的な健康状態・栄養知識に関する質問項目に対する回答の解析を行う。状況が許せば年度後半には現地調査に赴きフォーカスグループディスカッションを行って消費者受容性に関するデータを得たい。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度(R1)からの助手の雇用を見込んでいたが、公募に対して適任者が採用できず、次年度(R2)に繰り越す。
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