研究課題
マダガスカル国ではコメに偏った食事に由来した栄養バランスの不均衡がみられ、食生活の変化も殆どみられない。本研究では、マダガスカルで食生活の変化が起こりにくい要因を消費者行動面から分析し、栄養改善に実効性のある政策立案に貢献することを目的とする。研究代表者は、本研究に先立って開始した、マダガスカル中央高地農村での600世帯を対象とした年3回の定期的な家計調査を2021年度も継続して実施しており、本研究はこのパネルデータを活用し、さらに補足調査を行うことで実施する。令和3(2021)年度は本研究の3年目にあたる。1年目は食事パターン・栄養状態・嗜好等の現状を把握した。2年目からはコロナ禍に見舞われ、実施予定であったフォーカスグループディスカッションを延期せざるをえなかったが、家計調査に追加することで示唆を得られるような質問を考案し、分析を進めた。3年目の2021年度は、栄養改善へのモチベーションとの関係を数量的に分析するためのリスク選好(リスクを好むか避けるか)、時間選好(将来のために現在をどの程度犠牲にしてもよいと思うか)に関する経済学実験の質問を新たに追加した。また、昨年度から執筆に携わっていた成果、たとえばコメの生産性向上が栄養改善に量(カロリー供給)・質(栄養バランス)の両面において貢献することや、水稲の収穫前と収穫後では食事の内容が変化し栄養供給量も異なること、農業生産多様性が食の多様性や子供の栄養状態に貢献することなどの論文の執筆を継続し、学会発表や論文公表につなげた。
3: やや遅れている
コロナ禍で、本来であれば2020年度に実施する予定であった現地での質的調査を2022年度に延期した。
昨年度家計調査に新たに追加した質問も用いて分析を進める。延期していた、食品選択の理由や栄養改善対策に対する消費者受容性などの質的調査は、2022年度に実施する。
実施予定であった現地調査がコロナ禍で実施できないまま繰り越されているが、来年度実施を見込む。
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Japanese Journal of Agricultural Economics
巻: 24 ページ: 46-51
熱帯農業研究
巻: 14(1) ページ: 33-34
Working Paper, Department of Agricultural and Resource Economics, The University of Tokyo
巻: 20-F-01 ページ: -