研究課題/領域番号 |
19K15925
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
桑原 良樹 山形大学, 農学部, 助教 (10821415)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 田園回帰 / 移住・定住 / 地域おこし協力隊 / 東北地方 / 集落営農法人 |
研究実績の概要 |
本研究では、東北地方における田園回帰の推進に向けて、東北地方における「農山村地域の再生をミッションとして与えられている移住者」(地域おこし協力隊員)とそうでない移住者を対象に、それぞれにおける定着や移住後の地域活動への参画実態といった移住実績に地域差が生じる要因の解明を行うことを目的としている。そのため、2019年度は主に以下の調査を実施した。 (1)山形県最上地域での広域協力隊員ネットワーク組織である「最上地域おこし協力隊ユニオン」を分析対象として、山形県最上地域における地域おこし協力隊員へのヒアリング調査を通じて、担当市町村の枠を越えた広域での隊員間ネットワークによる任期中・任期後における効果を活動面・心理面の2つの視点から調査・分析した。 (2)山形県における地域おこし協力隊員を対象として、受入体制や活動内容、活動・生活における課題などをアンケート調査により明らかにし、それらが協力隊員の活動でのミスマッチに及ぼす影響を検討した。また、同アンケート調査により協力隊員の任期終了後の定住意向、定住したい理由、定住したくない理由などを把握し、協力隊員の定住意向に影響を及ぼす要因を検討した。 (3)山形県河北町に所在する集落営農法人における集落外出身(新規就農)の後継者候補を対象に、山形県山形市・真室川町に所在する集落営農法人における集落内出身の後継者候補との比較により、後継者としての定着意向の促進要因について検討した。その際には、後継者候補の地域・集落営農組織へのコミットメントの醸成とネットワーク形成の2つの観点から検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
地域おこし協力隊員に対する調査は予定通り順調に行うことができた。一方で、協力隊でない移住者を対象とした調査については、調査協力の得られた事例の調査・分析を優先したため、地域差の検討を行うための事前分析(地域比較分析)が不十分となってしまった。以上の点から2019年度の研究については予定とは異なる順番となったが、おおむね順調に進展していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、地域おこし協力隊員に対する調査を他地域の事例においても行うとともに、協力隊でない移住者を対象とした調査については地域差の検討を行うための事前分析(地域比較分析)を進めたうえで、調査対象地の選定を進める。また、これまでの調査・分析成果について、取りまとめを行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
2019年度中の実施予定であった地域差の検討を行うための事前分析(地域比較分析)において主に高性能なコンピューターを使用する予定であったが、研究スケジュールの兼ね合いで2020年度実施へ変更となったため、コンピューターの購入も2020年度へ持ち越すこととしたため、物品費の金額が大幅に低くなった。 また、地域おこし協力隊員に対する調査において調査結果のデータ整理として学生謝金を計上していたが、2019年度は調査規模が小さかったため、研究代表者自身で行った。そのため、人件費・謝金は0となった。
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