研究課題/領域番号 |
19K15926
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
加藤 恵里 滋賀県立大学, 環境科学部, 講師 (20728258)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 獣害対策 / 集落 / 地域資源管理 / 市町村行政 / 人材育成 / NPO活動 / コモンズ |
研究実績の概要 |
2020年度は、計画から調査内容を大きく変更した。 1.行政とNPO等による鳥獣被害対策支援の比較:新たに行政による集落の鳥獣被害対策支援の手法とNPO等による支援の比較を行った。2020年度は、福島県の鳥獣被害対策市町村リーダー育成モデル事業(県の事業担当者および猪苗代町・南会津町の事業策定にかかわった獣害対策支援担当者)と滋賀県の東近江農業農村振興事務所の普及員による鳥獣被害対策支援を調査した。これまで調査してきたとちぎ獣害対策アドバイザー派遣事業(一般社団法人鳥獣管理技術協会によって認定される鳥獣管理士を派遣)などと、NPO等を比較対象に、それぞれの特徴と課題を明らかにする。これまでのところ、集落の外部者として鳥獣被害対策に関わる際、ボランティアにとどまるか、民間組織として雇用を生み出しながら関わるか、行政の専門員の雇用と支援の可能性などが議論された。また、行政及び民間組織の仕事および集落とのかかわり方に生まれる違いを考察した。 2.鳥獣被害対策に関わる多様な民間組織の比較:集落の外部者が、集落内の地域資源管理にどのような形で携われるかを検討する。これまで調査してきた特定した地域で活動している民間組織に加え、全国規模で鳥獣被害対策に関わる民間組織も調査対象に加え、獣害をめぐる多様な民間企業について、仕事内容や働いている主に若手の人材育成などに関して考察した。 3.新たな地域資源管理システム(コモンズ)に関わる概念整理:新たな地域資源管理システム(コモンズ)に関わる概念整理のために、野生動物管理と鳥獣被害対策に関して、主に行政の枠組みから整理し、そこに民間組織が携わる意義について議論したものを、2020年12月に開催された林業経済学会秋季大会にて発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年度は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、集落住民への聞き取り調査を行う現地調査を中止したため、前半期は調査に取り組めなかった。後半期も計画を大きく変え、オンライン調査および所属している機関のある滋賀県内での調査に切り替えた。2021年度も状況は大きく変わらないと考えられるため、研究計画を大きく変更することとする。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は、引き続き現地調査は滋賀県のみで行い、オンライン調査も取り入れる。具体的には、以下を検討している。 1.行政とNPO等による鳥獣被害対策支援の比較に関しては、他に特色のある都道府県や市町村の獣害対策支援も調査対象に入れる。 2.鳥獣被害対策に関わる多様な民間組織の比較に関しても、各NPO等の民間組織や行政の関りのある民間組織を中心に対象を広げる。 3.新たな地域資源管理システム(コモンズ)に関わる概念整理に関しては、集落住民の視点について、これまでの調査結果から考察を深める。 なお、計画されていた現地調査・アンケート調査は取りやめ、2022年度以降に取り組めるか検討する。また、海外調査は取りやめ、調査対象の拡大・内容の変更を考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、出張を伴う調査をすべて中止したため、大幅に次年度使用額が生じた。2021度も、予定していた海外も含めた調査は中止とするため、使用計画全体の見直しをおこなう。
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